私が「性の健康の活動」と「ライティングオフィス」の二足のわらじを履くようになったワケ

2022年現在の私は、

自分で立ち上げた「性の健康イニシアチブ」という団体に軸足を置きつつ他の団体にも所属して「性の健康」というものに関係する活動をしています。

また、同時進行で、執筆や編集校正、採用広報支援などを行うライティングオフィスの活動もしています。

まったく関連の無さそうなこのふたつの異なる方向性の活動をどうして両方やることになったのか、書いてみたいと思います。

始まりは性の健康

プロフィールこちらの記事でも少し触れていますが、高校時代の友人に起こったある出来事をきっかけに性のことに目が向き、大学時代から性の健康に関する活動を行っていました。

大学を卒業した後は性の健康と関係のない仕事をしていた時期もありますが、その期間にも学生時代の友人から「学生の頃、なんか性に関することやってたよね?ちょっと相談があるんだけど?」という連絡を時々もらうことがありました。

働きながらも「社会に出た大人も自分のことで悩むなら、若い世代の悩みはもっと深刻だよね。自分にできることは何かあるかな?」と思っていました。

その後紆余曲折を経て26歳の時にあるNPO法人の事業事務局長として渋谷の街頭に街の保健室を出店する活動に携わり、同じ年の秋に個人事業を開業しました。中高生や大学生、その保護者、学校の先生や地域の大人(あと時々、保健師さんなどの専門職)に向けて講演やワークショップをやったり、記事を執筆したり、イベントをやったりして性に関する情報発信をしていました。

ある依頼がライティング活動への道を拓く

私が執筆した文章を読んで、ある時知人が連絡をくれました。「文章が上手くて感心したので、性の話とはまったく別のものだけど、自分の執筆の依頼も受けてほしい」と、ECサイトに載せるコラムを書く仕事を依頼してくれました。しばらくはその方から月に数本コラム執筆の仕事をいただいていました。これが私が「性」とは関係のないコンテンツで執筆業に携わるようになったきっかけです。

「書くことに困っている人はこんなにいるのか」という気づき

ある時その方から、箇条書きを集めた1万文字前後のメモが送られてきて「これをこういうテーマ、こういうねらいで3000~5000文字の記事にしてほしい」というご依頼がありました。

1万文字のメモに目を通したうえで、構成・展開を考え、記事を作成しました。

結果としては「いずれ何かの形で発表したかったことを貯め続けたのがあのメモでした。自分ではどうやってまとめていいのか分からなかったので、今回こんなにいい形にまとめてもらえて、本当に助かりました。難しい仕事だったと思いますが、ありがとうございました」と大変喜んでいただきました。

メモを読んで、構成を考えて、記事化する。私にとっては何ら難しい仕事ではないのですが、それがこんなにも喜んでいただける(=仕事になる)ということにとても驚いた記憶があります。そしてそれは「書くということに困っている人は世の中に自分が思っている以上に多いのかもしれない」という気付きにもなりました。

「世の中のことを知らなすぎる自分」を反省してスタートアップへ

そのようなライティング活動をやっている間も、性の健康に関する活動はもちろん継続していました。あるタイミングから、産婦人科の病院や自治体の住民向け講座で「夫婦のコミュニケーション」をテーマにしたワークショップ形式の両親学級を定期的に開催するようになるなど、性の健康の活動も進んでいたのです。

このころはまだ「性教育」や「性の健康」というものは日本社会の中で注目されていませんでした。それでも、活動を通じて知り合ってきた友人たちはみんな熱心に性に関する活動を行っていました(2018年ごろから少しずつ性教育が注目されるようになり、マスメディアで取り上げられたり書籍が出版されたりすることが増えました)。

「どうしてこんなに熱心にやっているのに、社会の中にこういう活動が広がっていかないんだろう」

あるときそんなふうに思いました。

その時にその問いに対して、「少なくとも自分は、20代の若いうちに開業してしまったので、世の中の普通の感覚が分かってない。普通の感覚が分かっていないからそこに訴求する力がない。だから自分のやっていることを理解してもらって広めていくことができていないのでは?」という仮説を自分の中に出しました。

当時は、「世の中の普通の感覚=会社で働いている人の感覚」だと何となく思っていたので、「ならば会社に入って働いてみよう」と思い、スタートアップに参画したのです。今なら、スタートアップの感覚は「普通の会社」の感覚と違うし、まして「世の中の普通の感覚」とは言えないよ、ということが分かるのですが、その当時はそれすらも分かっていませんでした。

ちなみに、スタートアップで働いてみて分かったこととして、

・会社で働いている人たちは忙しすぎる

・忙しすぎて社会問題だの性教育だのなんてことに構っている余裕がない(社会問題より今日の仕事、今日の家族の幸せ)

・(性教育は「今日の家族の幸せ」にも深く関わるものだけど)直感的にその二つの関係性を理解できないから、優先度を高めない

ということが挙げられます。

依頼が増えてライティングオフィスを開業することに

自分の持っているスキルで貢献できることがある会社に行こう。という軸で会社を探し、その結果ご縁をいただけたのが参画したスタートアップでした。「新規に立ち上げるオウンドメディアの編集長募集」という求人に応募して、ご縁をいただけたのでした。

執筆や編集校正といったコンテンツのクオリティコントロールの仕事は経験があった一方、Webメディアの運営は実は初めての経験でしたが、とても楽しく、学びも多くありました。

立ち上げ当初はインタビュー記事を中心に掲載していましたので、自ら企画~インタビュー~文字起こし~記事作成と担っていました。じっくりと人の話を聴いてそれを記事にしてその人を表現するという仕事の奥深さと豊かさを物凄く感じましたし、公開した記事によって喜ばれる経験も何度もありました。

会社でオウンドメディアの仕事をしていた時期に、この会社の仕事を通じて出会った人からライティングの仕事を依頼される機会があったり、もともとのお客さんからもまた執筆を頼まれたりする機会があり、執筆の仕事が増えました。以前細々と執筆のご依頼に応えていた時と規模感が変わってきたため、執筆関連の仕事を受ける受け皿として「ライティングオフィス 6483works」を立ち上げることにしました。(性の健康の活動とブランディングを分ける目的でした)

これが、私が性の健康とライティングオフィスの活動を同時に展開するようになった瞬間です。

これからも二足のわらじで

2019年11月末をもって、30か月働いたスタートアップを退職して完全なフリーランスに戻りました。その前月に、メキシコシティで開かれた、性の健康世界学会の第24回世界大会に参加し、「性の健康の活動はずっと続けてきたし、これからも続けていきたい」と心新たに誓い、そのためにもう少し働き方を工夫したいと思ったのが、退職を決意したきっかけでした。

2019年12月は翌年の作戦を立てていましたが2020年2, 3月頃からコロナ禍が始まり、混乱に翻弄されながら2020年が終わりました。それでも、性の健康のお仕事や執筆・編集校正のお仕事をいただき、廃業することなく乗り切れたのはありがたい限りです。

2021年1月に、11年間続けた「若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R」という屋号を「性の健康イニシアチブ」に変え、より団体っぽくなるとともに事業内容を一新。新たにスタートしました。

2022年もまた、「性の健康イニシアチブ」(と、その他に所属している性の健康関連の諸団体)の活動と、「6483works」でのライティングオフィス活動の二足のわらじで取り組んでいきたいと思います。

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